多岐川舞子全曲集 海峡たずね人

多岐川舞子 多岐川舞子全曲集 海峡たずね人歌詞
1.海峡たずね人

作詞:石原信一
作曲:徳久広司

手紙の消印 手がかりに
あなた探して 北の果て
幸せつかめと 男文字
寒い心に 突き刺さる…
汽車から船に 乗り換えて
わたし…海峡たずね人

岬の灯台 照らしてよ
あなた今ごろ どのあたり
離れて初めて 気がついた
愛の深さを ぬくもりを…
汽車から船に 乗り換えて
わたし…海峡たずね人

サハリンおろしが 頬叩く
あなた悔やんで いませんか
さびれた港で めぐり逢い
馬鹿なやつだと だきしめて…
汽車から船に 乗り換えて
わたし…海峡たずね人


2.雪ほたる

作詞:土田有紀
作曲:岡千秋

肩で息して とび乗る夜汽車
純情たちきる ベルの音
夢の灯が かすんで千切れ 遠ざかる
吹雪の野づらを 遠ざかる
私…… 春を待てない 雪ほたる

いゝのよいゝのよ 嘘でもいゝの
嘘にすがって 生きられる
泣きじゃくる 温もり置いて 行くなんて
優しさ残して 行くなんて
私…… 春を待てない 雪ほたる

白い谷間の つらゝの宿は
北の情なし 風ばかり
ふり向けば さだめに生きる 冬木立
つらくはないのか 冬木立
私…… 春を待てない 雪ほたる


3.恋待酒

作詞:仁井谷俊也
作曲:岡 千秋

逢えない夜の なぐさめに
覚えた酒は なみだ割り
あなた…あなたが 悪いのよ
悪いのよ
悲しいくらい 惚れさせて…
ひとりぼっちの こころが寒い
あなた待ってる 恋待酒よ

おんなの愛の 一途さが
男にゃいつか 邪魔になる
あなた…あなたが 悪いのよ
悪いのよ
迎えに早く 来て欲しい…
少し残った ふたりのボトル
抱けば愛しい 恋待酒よ

泣き虫だから 弱いから
包んでほしい その腕で
あなた…あなたが 悪いのよ
悪いのよ
悲しいくらい 惚れさせて…
夜がせつない 涙が苦い
あなた逢いたい 恋待酒よ


4.夜汽車の女

作詞:たかたかし
作曲:徳久広司

逢えば心が 迷うだけ
別れは手紙で つたえます
走る夜汽車は 海沿いの町
窓に漁り火 揺れて眼を濡らす
もうあなたの胸には もどれないから
北へ北へ北へひとり 帰ります

いくらやさしく されたって
あなたを待ってる ひとがいる
求めきれない 女の夢に
焦れてあなたを 深く傷つけた
もうあなたの胸には もどれないから
北の北の北の町へ 帰ります

これでいいのと つぶやいて
心の傷みに たえてます
今の幸福 大事にしてね
自分ばかりを どうぞせめないで
もうあなたの胸には もどれないから
北へ北へ北へひとり 帰ります


5.夢灯り

作詞:麻こよみ
作曲:徳久広司

泣くも笑うも 一緒と決めて
肩を寄せ合い 生きて来た
そっと心の アルバム開き
たどる思い出 夢灯り
逢えて良かった あの時二人
優しさと ぬくもりが ああ あればいい

何もいらない あなたがいれば
惚れて今日まで ついて来た
指に光った 小さな結婚指輪(ゆびわ)
嬉し涙が こぼれます
逢えて良かった あの時二人
優しさと ぬくもりが ああ あればいい

今の幸せ 失くさぬように
生きて行きます 離れずに
心ひとつに 結んだ絆(きずな)
ともす明日の 夢灯り
逢えて良かった あの時二人
優しさと ぬくもりが ああ あればいい


6.信濃川

作詞:かず翼
作曲:弦哲也

闇にひと声 夜汽車の汽笛
雪の平野を 遠ざかる
華を咲かせて 欲しいから
心で見送る あなたの背中
ひとり身を引く 悲しみを
泣いて流して 信濃川

もしもあなたに 夢などなけりゃ
後を追いたい すがりたい
今は別れが つらいけど
涙の先には 明日があるわ
いいの私を 忘れても
恋はひとすじ 信濃川

水に浮かんだ わくら葉さえも
ふたつ並んで 行くものを
頬を叩いて 吹く北風が
くじける私の 弱さを叱る
未練投げれば 渦を巻き
さだめ呑み込む 信濃川


7.哀愁日本海


8.海峡終列車

作詞:かず翼
作曲:岡千秋

風に舞い散る 粉雪が
まつげで溶けて 涙をさそう
つれて行ってと すがった胸に
遠い海鳴り 聞くなんて…
バカね未練ごごろが 凍りつく
愛はまぼろし 海峡終列車

ベルが急かせて 閉まるドア
ふるえる指が あなたをなぞる
明日へ着けない 真冬の駅に
ひとり残して 行かないで…
バカね後ろ姿の 夢なのに
時刻(とき)を止めたい 海峡終列車

海に消えてく 窓灯り
思わず走る プラットホーム
呼んで戻らぬ ぬくもりならば
いっそ知らずに いたかった…
バカね女ごごろが 砕け散る
あなた返して 海峡終列車


9.あんたの海峡

作詞:土田有紀
作曲:岡千秋

男の愛が さめるから
女の未練が からみつく
さよならだけは 言わないで
走る桟橋 連絡船は出る
霧笛よ泣くな ぐずれば逢いたい
あんた あんた あんたの海峡

背中をなでて 詫びた男
許せはしないと 目に涙
消された夢に すがるのは
怨みごころの 裏返し
霧笛よ泣くな ぐずれば逢いたい
あんた あんた あんたの海峡

お酒が強く なったのは
飲まなきゃ 夜明けが遠いから
こゞえる命 抱きしめて
せめてキリリと 紅をさす
霧笛よ泣くな くずれば逢いたい
あんた あんた あんたの海峡


10.浪花の雨

作詞:石坂まさを
作曲:市川昭介

夢のしずくか 浪花の雨は
女ごころを やさしく濡らす
せつなくて せつなくて
好きになっては いけない人と
そっと眼を閉じ 願かけて
引いたおみくじ 何とでる

梅の香りが かすかに消えて
雨の日暮れは あなたが匂う
好きならば 好きならば
愛の悲しさ 無いはずなのに
明日をつないだ 赤い糸
切れはせぬかと 気にかかる

恋の傘から はみでた肩を
雨が叩いて ふたりを燃やす
辛くても 辛くても
胸の想いが 一つであれば
生きる苦労を 分け合って
いつか聞きたい 春の鐘


11.石北本線

作詞:かず翼
作曲:徳久広司

未練という名の 傷あとを
連れて女の ひとり旅
北の都の 優佳良織(ゆうからおり)は
機(はた)の音さえ 哀しく響く
石北本線 終着駅を
探す私に 雪が降る

想い出捨てたい 橋の上
神居古潭(かむいこたん)の 冬の川
渡り鳥なら いつかは帰る
二度と戻らぬ 失くした恋は…
石北本線 夜更けの駅で
みんなあなたに 見える人影(かげ)

幾つの駅を 乗り継げば
あなた忘れる 春に着く
暗い窓辺に 別れの言葉
指でなぞれば レールが軋む
石北本線 旅路の果てに
明日の灯りが 見えますか


12.湖愁

作詞:たかたかし
作曲:市川昭介

青い湖 たそがれて
霧がしずかに 湖水をはしる
胸にさざ波 面影が
熱い涙と あふれくる
夢もちりぢり 旅の空

遠く流れる 浮雲を
ふたり見ていた 岸辺の小径
若い五月の そよ風を
たどれば白き 鈴蘭の
姿やさしい 思い出よ

窓にうつろう 三日月を
ひとり眺める 湖愁の宿よ
二度とかえらぬ 過ぎし日が
夜の静寂(しじま)に チクタクと…
古い時計の 淋しさよ


13.東京浪漫

作詞:伊藤薫
作曲:伊藤薫

昔あなたと住んでいた
線路の脇のアパートで
貨物列車を数えては
二人で旅の夢を見た
あれは昭和だったわね
遠く近く遠く
春が来る夏がゆく
秋は夢ああ冬になる
人生の四季の中
この私は今 今 今 どの辺り

くもるガラスにぼんやりと
タワーの灯りゆれたっけ
酔ってつぶれて膝の上
あなたの寝顔すきだった
何もない暮らしでも
いつも笑っていた
東京も夜ですか
星たちは光ってますか
もう一度一度でも
あなただけに今 今 今 会いたくて

あれは昭和だったわね
遠く近く遠く
春が来る夏がゆく
秋は夢ああ冬になる
人生の四季の中
この私は今 今 今 どの辺り


14.北の恋歌

作詞:吉田旺
作曲:徳久広司

北の港に 風花舞えば
みれんゆすって 海猫が哭く
さんさ時雨か 萱野の雨か…
逢いたいよ あゝゝ あんた
いいよ夢でも 逢いにきて

遠い眸をして 唄ってくれた
歌がせめての 置きみやげ
さんさふれふれ 五尺の袖を…
うらんでも あゝゝ あんた
うらみきれない いくじなし

もしもあたしが 死んだらあんた
目尻ぬらして くれますか
さんさ時雨か なごりの歌か…
逢いたいよ あゝゝ あんた
霧笛ひと声 北港


15.あなたの女

作詞:吉岡治
作曲:伊藤雪彦

おまえと一から出直すと
ちいさなわたしの肩を抱く
指でかくした男の涙
忘れない
夢でもいいわ 夢でもいいわ
きょうからわたしは あなたの女

ふたりの指輪はなくっても
こころに飾りが あればいい
逃げた夢なら あなたと捜し
生きてゆく
つまずかないわ つまずかないわ
きょうからわたしは あなたの女

つましい春でも ふたりなら
苦労を笑顔にかえられる
浮いて沈んで 見上げる街に
雨がふる
ふりむかないわ ふりむかないわ
きょうからわたしは あなたの女


16.津軽望郷譜

作詞:里村龍一
作曲:伊藤雪彦

三味の太棹 バチ打つ音が
夢の中でも 哭き叫ぶ
津軽じょんがら 故郷の村が
吹雪まじりに 呼んでいる
ハァー帰りたくてもョー
ハァー帰れないんだ 神無月
私しゃ都会の 荒海で
故里へ土産の 網をひく

春が来たって 地吹雪荒れて
花が咲くのに 雪がふる
恋をしたって 明日も抱けぬ
竜飛三厩 風の村
ハァー故里を出てからヨー
ハァーいくつ数えた 冬ごよみ
ひと目逢いたい こんな夜は
旅に出るのさ 夢ン中

ハァー何処で生きてもヨー
ハァー生まれ故郷は 忘れない
酒っこ飲むたび 口に出る
津軽じょんから 故里の唄